ご挨拶

投稿日: カテゴリー: ご挨拶
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東海中学・東海高校生の皆さん、はじめまして。
東風(とうふう)個別ゼミナール代表・柘植(つげ)と申します。
指導者はわたし一人ということで「代表」もへったくれもない気がしますが、肩書きがないのは寂しいので、代表ということでよろしくお願いします。

さて。当塾は「東海生専門の国語指導」ということで、ちょっとニッチな塾なのですが、ご挨拶代わりに“なぜこのような塾を立ち上げたのか”というお話をしたいと思います。

 

私は大学を卒業してから、某予備校で講師として働いていました。
当然、一斉指導です。大きい教室でマイクを持って講義していました。

新卒で予備校の先生になりましたから、まだ22歳のそれはそれは可愛らしい年頃(多分)です。
ほとんど年の違わない生徒に対し、マイク片手に現代文と古文の受験指導。
持てる能力のすべてを出して教えていましたが、何かこう、モヤモヤするものがあります。

目の前で授業を受けている生徒たち。
この人たちは、私の説明をわかっているのか、いないのか。

右端の席でちょっと眠そうにしているあの人は、そもそも説明を聞いているのか、いないのか。

…というか、一番後ろの人はどう考えても完全に寝てますけど・・・え? 私の渾身の文法識別講義、全く無駄じゃないの? わかりにくいから寝ちゃう? それとも疲れているだけ?

 

わかりません。
「わかっているか、わからないか」すら、予備校講師には確認する術があんまりないのです。
同じ空間にいながら、「大丈夫? 疲れてる?」の声かけすら十分にできません。
わからないところまで遡って一緒に見直すことも、一人一人の苦手を見つけてやることも。
一々それをやっていると、授業が成立しないのですね。

「予備校とはそもそもそういう所である」と割り切ればよかったのでしょうが、
私にとってはそれは大変気持ち悪いことでした。
「わかっていないかもしれない人をそのままにして進んでいく」ということが、とても気持ち悪かった。

 

「このまま一斉指導を続けるのかなあ」と思っていた、ある日。

勤務していた予備校が廃校になりました。
就職してからわずか一年でまさかの失業です。

あっさり書いていますが、結構かわいそうですね。
就職超氷河期の中、やっと見つけた予備校講師の職だったのに。

そこで。今度は少人数指導の塾に就職しました。
授業中に指名ができます。小テストも好き放題実施できます。
何が苦手か、どこを補強すればよいかが手に取るようにわかり、ものすごく充実感がありました。
「これでもか!」ってほど工夫して教材を作り、過去問研究にも力を入れていました。
(※ その頃、私が作成した大学の予想問題は「占い師になれるんじゃないか」ってほど、よく当たりました。古文なんかは、出典までドンピシャだったり)

しかし、調子に乗ってプリント作りまくったせいか、私は3年ほどで激しく体調を崩してしまいました。
毎日毎日微熱が続き、「もしや、結核…!?」と恐れおののきました。
やっぱり国語講師だったので、結核→正岡子規→喀血→死亡という図式がありありとイメージされ、慌てて病院へ駆け込んだところ。

「肺の音も綺麗だしレントゲンも綺麗ですねー」

…ってことで、結局自律神経の失調だったのですが。
もうダルくてダルくて授業できなくなってしまったので、退職しました。

 

その後、医学部の小論文添削の仕事をしながら体調を立て直し、「人間、健康第一」と深く悟った私は個別指導塾の非常勤講師として再び働き始めました。

マンツーマンの指導は、本当に楽しかったです。
反応がダイレクトに伝わるところが良いです。

いろいろな学校の生徒を教えていたのですが、メインで指導していたのは東海中学・東海高校の生徒さんでした。
10年以上、東海専門と言っていいほどたくさんの生徒を指導しました。

他の科目はわからないのですが、国語に関して言えば東海の教材はずっと昔からあまり変化がありません。テストの傾向もほぼ一緒。

良い教材を使って、オーソドックスな良問を出題する…という姿勢が徹底しているように思います。
そして、無駄なことをやらせません。
大学入試に必要な知識を効率良く身につけられるよう、工夫されています。
学校のテストで高得点が取れると、自動的に入試基礎力もつくという塩梅です。

これは、塾講師としてもありがたいところでした。
実は(入試的に)あまり必要ないことを学習させる学校は結構多いのです。
古文テキストを隅から隅まで品詞分解させたり……アレは、全く意味がないとは言いませんが、「時間と労力の無駄遣い」ではないかと思います、個人的に。

 

えー、話が逸れましたが、適切な指導内容で優秀な生徒を教えるというのは楽しいもので。
何と言っても東海生です。全員頭が良い学校なので、どうしても成績が下位に沈んでしまう子もいるのですが、やはりポテンシャルが高いため、正しい方向性でポイントを指導するとぐんぐん得点が伸びていきます。
特に中学生の国副は、一気に成績を挽回することが可能でした。
一ヶ月の指導で20点台だった定期テストの得点が90点台になったり、赤点ばかりだった子が1回の指導で平均点に迫ったり、と。
東海中高、各学年に生徒がいましたが、私の生徒はどの学年でも上位に食い込んでいました。トップを取る子もいました。

そういう評判が地味に広がっていったのか、ありがたいことに国語の指導目当てで塾に来る東海生がちらほらいました。
大幅に成績が上がった子の友達が来てくれたり、保護者の口コミから体験授業に来てくれたり。
毎日フル回転で授業に入っていました。

 

それが。

その塾が突然倒産してしまいまして。

なんというか、本当に何の前触れもなく4月1日に突然倒産しました。
壮大なエイプリルフールかと思いましたが、本当につぶれていました。

 

おかしい。

前年度、私が担当していた東海生は学年トップ取りましたし、高三生も指導していましたが、その子だって国公立の医学部に合格した。

「よし、新年度も頑張るぞー」とか思いつつ出勤の支度をしていたら、自宅に倒産を知らせる速達が届くとか、泣いてもいいのかもしれないけれど、逆に笑いしか出ません。
ちゃんと一生懸命仕事していたのに、この仕打ち。

なんですか、私の大人になってからの人生は「就職→廃校→再就職→病気→再就職→倒産」って感じで、紙芝居にすると6枚ぐらいで上げては落とすの繰り返し。

収入源も大切な生徒も一気に全て失い、どうすれば。

 

「どうすれば」…というか、もちろん働くしかないのですが、私の希望する条件の仕事はなかなか見つかりませんでした。

私の希望する仕事は…

一対一の個別指導で、

現代文・古文・漢文・小論文を、

やる気のある相手に、

ガンガン教えてガンガン成績を上げて、

一日に4時間以上教えられて、

廃校になったり倒産したりしない

 

・・・なんというか、我ながら慎ましやかな希望です。
そんなに贅沢は言っていないはずなのですが、この条件を満たす職場はなかなかありませんでした。

 

「希望の職がないなら、自分で立ち上げればよい」という結論に至るまで、数ヶ月。
さらに準備に数ヶ月。

やっとホームページもできて、あとは生徒が来るのを待つばかりという東風個別ゼミナール。

東海生の国語学習全般で、必ずお役に立ちます。
お問い合わせお待ちしております。

 

それから、以前 私の国語の授業を受けていた生徒さん達。
この記事が目にとまりましたら、連絡くれると嬉しいです。
ものすごく不本意ながら指導が中断になってしまい、どうしているかな…と気がかりです。

 

塾のご挨拶としては不適切な内容を含む記事かとも思いましたが、「ああ、こういう塾があるんだな」と知っていただきつつ、東海生の国語指導の実績をアピールしつつ、指導する人間の人柄も多少知れて安心していただきつつ、手がかりゼロのかつての生徒達の安否も知りたい…と思ったら、このような長文記事になってしまいました。ご容赦ください。

改めまして。
東風個別ゼミナールをよろしくお願いいたします。

 

【このページはしばらくトップに固定しますが、記事は随時更新していきます。
当塾は中学入試対策は行っていませんが、ブログでは国語の東海中学入試対策記事もアップしていく予定です。もちろん現役東海生に役立つ国語情報もお送りいたします】

 

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